グロインペイン(鼠径部痛症候群)はサッカーに限らず、股関節周囲への負荷またはその他の部位の故障が痛みの原因となるなど、どの競技でも起こりうるスポーツ障害の一つです。
当院では、サッカーやランニングなど股関節に負荷のかかる競技のグロインペイン(鼠径部痛症候群)に対して、痛みの原因となる筋肉の張りを探し、痛みの消失・軽減、可動域の改善を目標に施術いたします。また、痛みを再発させないための対策などをアドバイスいたします。
以下、グロインペイン(鼠径部痛症候群)に対しての施術方針をご説明いたします。
グロインペイン(鼠径部痛症候群)の部位
サッカーやランニングなど、各競技でのグロインペイン(鼠径部痛症候群)の症状は、
など、その他にも症状は様々です。
サッカーやランニングなど、各競技でのグロインペイン(鼠径部痛症候群)の原因は、
など、様々なことが起因となり、痛みの原因となると言われています。
その他に、個人的見解にはなりますが、グロインペインを訴える選手は、臀部含め「股関節周囲の筋肉の張りが強い傾向がある」と感じます。
股関節周囲の筋肉の張りが強くなることで、「股関節周囲の機能低下(動きの悪さや筋力低下)」が起き、動きの悪い部分を一生懸命動かそうとした結果、恥骨や鼠径部付近に過度に負荷がかかり最終的に痛みになる…というメカニズムも原因の一つではないか…と考えております。
※1)「機能低下」という状態は、ただ単に「筋力が低下していて動かしにくくなっている状態」だけではなく、「筋肉が張りすぎていて、筋肉に力が入りにくくなり、うまく使えなくなっている状態」の場合もあると考えております。
サッカーやランニングなど、各競技でのグロインペイン(鼠径部痛症候群)の施術に際して…
痛みが強く出ている場合はまず、医療機関(専門医が望ましいです)にて鼠径部周囲の骨折の有無を診断していただき、痛みの原因を明確にしていただくことをおすすめしております。
そして可能であれば、
を中止していただきたいです。※理由はこちら→
痛みが消失、または、医師による「練習再開の許可」が下り次第、トレーニングは再開していただいて構いませんので…
医療機関を受診後、リハビリが開始されると思われますが、それと並行して、グロインペインの原因と思われる筋肉の tightness をゆるめていく必要があると考えております。
グロインペイン(鼠径部痛症候群)の施術としては、
を確認し、痛みや各部位の可動制限に関連している筋肉の張りをマッサージや鍼でゆるめながら、
など、各動作時の痛みの消失・軽減を目標に施術していきます。
グロインペイン(鼠径部痛症候群)の症状があるときに、股関節周囲のトレーニングを中止していただきたい理由は、「股関節周囲の筋肉の張りが強い状態の時に、さらに患部周囲のトレーニングをされてしまうと緩めたい筋肉が緩まず、施術が追いつかない状態になり、状態改善までの期間が延びてしまう可能性がある」と考えているからです。
ですので、股関節周囲の筋肉の張りが強くグロインペインの症状がある場合は、患部周囲へのトレーニングは一時、中断していただきたいです。
私の過去の施術例として…
以前、中学生のサッカー選手のグロインペインを施術した時に、当時、その選手が所属しているチームのトレーナーさんが、中殿筋に抵抗をかけるテストをし、力が入りにくい状態を見て「中殿筋が弱いからグロインペインの症状が出ている。なので中殿筋の強化をしていこう。」と言われたそうです。
後日、私がその選手の臀部を施術した際、「こんなにガチガチに筋肉が硬くなっている状態では力が入らないの当たり前。まずは臀部の筋肉も含め全体的に筋肉をゆるめることが最優先なのでは…」と思いました。
以降、中殿筋のトレーニングを継続していた期間は、どんなに臀部の施術をしても筋肉はゆるまず、仮にゆるんだとしてもトレーニングでまた張ってしまい、施術が追い付かない状態になり痛みは改善しませんでした。
しかし中殿筋のトレーニングなど、痛みを誘発するトレーニングを極力控えてもらい、筋肉をゆるめることを最優先に取り組んだ結果、数か月間続いていた痛みが消失し、股関節周囲を含む全体的な可動性も改善しました。
本来ならば筋肉をゆるめながら、トレーニング(リハビリ)による機能回復・状態改善ができることが理想ですが、筋肉が張りすぎていることにより機能低下が起きている場合は、筋肉をゆるめることが最優先なのでは…と考えております。
A、グロインペインに関連する部位の「骨折」が、痛みの原因であれば、安静にすることで骨折が治癒し、痛みが改善する可能性はありますが、痛みが引いても股関節周囲の筋肉の張り(tightness)やその他の部位の可動性の低下などによる「機能低下(本来の動きができない状態)」がある場合は再発するリスクが高いです。当院では「なぜそこに負担がかかったのか」という原因(筋肉の張りや可動域の低下)を探し、施術しております。
A、はい、その時の筋肉の状態によっては逆効果になるときがあります。明らかに、中殿筋の「筋力不足」がグロインペインの原因であれば、中殿筋のトレーニングは有効だと考えます。しかし、中殿筋やその他の筋肉が張っている状態で中殿筋のトレーニングをするのは「逆効果になる(痛みを長期化させる)可能性がある」と考えております。実際、ご来院いただいた選手が、グロインペインに関連する部位の筋肉が張っている状態で、チームトレーナーの指示のもとで中殿筋などのトレーニングを続けて痛みが改善しなかった事例が複数回ありました。筋肉がガチガチに固まった状態で負荷をかけると、さらに柔軟性が失われ、また、施術での筋肉の状態改善が追いつかず、痛みが悪化・長期化するケースが多々あります。まずは「鍛える」前に「緩める」ことが重要だと考えております。筋肉が張っている状態で筋トレを継続している場合は、一度中止して筋肉を緩めることが早期改善の近道だと考えます。
A、単なる「筋肉の張り」が痛みの原因であれば、筋肉の張りを緩めることで「数週間」で復帰できる可能性があります。しかし、痛みが強く、日常生活にも影響が出ている場合は、専門医の診察(判断)が必要です。
※状態によっては「数か月から年単位」になる可能性があります。
A、専門医を受診されたのであれば、復帰の時期については専門医にご確認ください。
選手には「寿命(チームがいつまで契約してくれるか、学生であれば「学年」)」があり、痛みがありながらも競技復帰しないといけないという選手もいますので、どのレベルを「復帰」と判断するのかは難しいです。ただ、大まかにはなりますが、専門医を受診して安静期間を経て、医療機関での、
「機能低下の改善(リハビリ)」→「実技に即した動き(痛みや動作確認)」→「最終的なゲーム復帰」
を考えると、「数か月から年単位」の可能性があると考えます。
もしその「リハビリ期間中」に「筋肉の張りを緩めたい」というご希望がございましたら、是非、当院にご相談ください。
【サッカーのランニング障害関連項目】